Research

キレイな素肌の基盤ともいえる角層は肌の最上層にあるため、外気や紫外線など様々な刺激に常にさらされています。また洗浄剤などによって、必要な脂質まで奪われてしまう事例も増えています。それらの刺激によって、角層はどのような影響を受けているのでしょうか。

外的要因による表皮構造や機能の変化

表皮モデルを様々な刺激にさらし構造や機能の変化を観察したところ、洗浄剤や脂質除去、紫外線、乾燥によって角層を含む表皮の構造は大きく乱れ、皮膚のバリア機能も低下していることが明らかに。肌内部の水分が角層を通して逃げやすい状態となってしまいます。

外的要因による表皮構造の変化
表皮モデルを刺激後、染色し顕微鏡で観察した断面画像
洗浄剤はSLS処理、脂質除去はアセトン処理、紫外線はUVB照射、乾燥は低湿度培養

バリア機能の指標であるTEWL(経表皮水分蒸散量)の相対比

ミクロレベルにおける因子の変化

うるおい保持に欠かせないバリア機能の重要因子に着目。細胞よりも小さなミクロレベルでは外的要因によってどのような変化が起きているのか、さらに詳しく観察しました。

角層は角層細胞とその隙間を埋める細胞間脂質で構成されます。さらに、角層細胞や表皮細胞は接着斑やタイトジャンクションと呼ばれるいくつかの特別な接着装置によって強固につながっています。細胞間脂質が細胞の隙間を立体的に埋め、接着斑がボタンのような点状に、タイトジャンクションがジッパーのように細胞同士を結合することで異物を通さない堅強なバリア機能を実現しています。

バリア機能にとって特に重要とされる成分が、細胞間脂質に含まれるセラミド、接着斑に含まれるデスモグレイン、タイトジャンクションに含まれるクローディン。外的要因にさらされた肌では、これらすべてが減少することが明らかになっています。

バリア機能に重要な3因子の外的要因による変化
セラミド量はLC-MS/MSを用いて定量、デスモグレインを赤色、クローディンを緑色で検出

角層の重要因子が減少すると構造が乱れ肌のバリア機能が低下、さらなる乾燥や肌荒れを誘引し、キレイな素肌は損なわれてしまう一方です。そうならないためにも大切なのが、角層構造の乱れを抑えて一人ひとりが持つ肌本来の美しさを引き出すことだと大正製薬先端美容研究所は考えます。

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