セラミドは聞いたことがあっても、「結合型セラミド」は初めて耳にしたという方も多いかもしれません。私たちは、肌がうるおいを保つために特別な役割を果たしている「結合型セラミド」に着目して研究を進めています。
肌の乾燥は見た目に表れる
乾燥肌とは、単に肌の水分量が少ない状態ではありません。水分が失われると、肌表面がカサついたり、キメが乱れたりといったことが起こります。そしてその悪影響は、肌の見た目にまで表れてしまうのです。
乾燥と肌の見た目の関連性
うるおいを保つ1000種を超えるセラミド
セラミドは肌の角層に存在する細胞間脂質のひとつで、細胞と細胞の間で水分を抱え込み保持する働きを持っています。細胞間脂質のうち約半分以上をこのセラミドが占めており、肌のうるおいやバリア機能にとって重要な成分です。
ひと言にセラミドといっても、角層に存在するセラミドは実に1000種類以上。私たちは、それらのセラミド1種1種を解析し、機能の解明に挑戦しています。
角層バリア機能と様々な種類のセラミド
特殊な構造を持つ結合型セラミド
角層に数多く存在するセラミドの中でも、細胞と直接結合している特殊なセラミド、それが「結合型セラミド」です。結合型セラミドは一般的なセラミドに比べて非常に長い分子構造を持ち、角層細胞と細胞間脂質をつなぎとめ、角層構造を維持するという肌のバリア機能維持に重要な役割を担っています。また魚鱗癬のような肌のバリア機能の異常疾患では、結合型セラミドが明らかに少ないこともわかっています。
角層における結合型セラミド