Research

昔から私たちの身近にあった「発酵」。近年では肌への高い効果についても解明されています。私たちが厳選した発酵成分の中から、「酵母エキス」の美容成分としての高い機能、そして「コメ発酵液」の発酵によって生み出される美容効果についてご紹介します。

食品から化粧品まで活用が進む発酵

微生物の働きで有機物が分解されヒトに有用な物質に変化することを「発酵」といい、科学的な裏付けのない時代から味噌や醤油など主に食品に広く用いられてきました。その発酵を促す微生物のひとつが「酵母」です。“杜氏の手はキレイ”など発酵や酵母で美肌になることは昔から伝えられていますが、近年はそのスキンケア効果に関して多くのことが解明されています。

酵母エキスの肌への効果

加齢によるターンオーバーの遅れなどによって引き起こされる肌のごわつきやくすみ。そのような肌状態を立て直すために、私たちは細胞や細胞を取り巻く環境に着目。独自に厳選した「酵母エキス」について調査を行いました。

■表皮と真皮、両方の細胞を活性化

酵母エキスは、肌の外側にある表皮とその下の真皮それぞれの細胞を活性化することが確認できました。表皮の細胞においてはバリア機能の強化を促し、真皮の細胞においては加齢とともに減少するコラーゲン、エラスチンの産生を高める効果が期待できます。このことから酵母エキスは、肌の保水性やハリ・弾力を高める可能性を持つ美容成分であるといえます。

コメ発酵液の肌への効果

コメ抽出液を発酵させた「コメ発酵液」も無加水製剤に用いることができる成分。1000種類以上の中から選び抜いた酵母を使って得られる発酵液で、アミノ酸など60種類以上の成分を含みます。肌のバリア機能に大きく関与するセラミドやタイトジャンクションへの影響について、発酵前と発酵後を比較すると興味深い結果が見えてきました。

■保湿だけでなくバリア機能も強化

セラミドの合成に関与する酵素(セリンパルミトイルトランスフェラーゼ)について、発酵前のコメ抽出液で効果が認められなかったのに対し、コメ発酵液では非常に高い効果があることが確認できました。発酵により多種のアミノ酸などが産生されて保湿効果が高まることは知られていますが、さらにバリア機能強化を期待できる美容成分へと変化したことがわかります。

さらにコメ発酵液は、細胞同士をつなぐタイトジャンクションに含まれるタンパク(クローディン1、クロ―ディン4)の産生を促すことが確認できました。コメ発酵液が細胞同士の結びつきを強固にして、バリア機能を高めることが期待できます。

肌の表皮細胞・真皮細胞への作用や細胞のバリア機能に関わる作用など、肌への働きが注目される発酵パワー。それを活用することで、不調を寄せ付けない健やかな肌や様々な環境下でもゆらぎにくい肌へと導いてくれることが期待できます。

効果を効率よく肌へ与えるために。大切なのは、成分が持つ機能を十分に理解し、その力を発揮させる製剤技術を用いること。製薬会社ならではの高い技術を組み合わせた唯一無二の無加水製剤の実現に向け、これからも研究を進めていきます。

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