加齢にともない肌のマイトリガーゼは減少していくことがわかりました。その時、肌の内部では何が起きているのでしょうか。肌細胞での変化を捉えました。
マイトリガーゼの減少と肌細胞の動き
はじめに、マイトリガーゼを減少させた肌細胞について研究を進めました。マイトリガーゼを減少させた細胞は、正常な細胞と比較して、明らかに動きが悪くなっていました。マイトリガーゼは細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアの働きに大きく関わることがわかっています。今回新たに、マイトリガーゼが減少することで細胞が元気をなくしたように動かなくなってしまうことが明らかとなりました。
マイトリガーゼの減少と肌細胞の老化
さらにマイトリガーゼが減少した細胞を解析すると、細胞の老化度を表すマーカーが増加しており、細胞そのものが老化していることがわかりました。これまで私たちが研究を進めてきた細胞レベルの老化、その引き金がマイトリガーゼの減少だったのです。
マイトリガーゼの減少とコラーゲン
マイトリガーゼが減ることは、年齢を重ねた肌内部の乱れにも影響があるのでしょうか。マイトリガーゼが減少した細胞では、肌のハリや弾力に関わるコラーゲンが、明らかに低下していました。マイトリガーゼの減少は、コラーゲンの構造が変化してしまう原因にもなっていたのです。
今回の研究で明らかになったのは、加齢とともにマイトリガーゼが減ることが、肌の老化の原因になっているということ。そうした肌の老化に抗うために、私たちは肌のマイトリガーゼを活性化することが重要であると考え、さらなる研究を進めています。