年齢を重ねるにつれて増えるシミやくすみの正体は、肌の中で過剰に作られるメラニンという色素です。紫外線がその一因であることは知られていますが、実はそれだけではないことがわかってきています。
メラニンはどのように作られるのか
メラニン生成をコントロールしているのは、表皮の大部分を占める「表皮細胞」とメラニンの工場とも呼ばれる「メラノサイト」です。肌への様々な刺激を感じ取った表皮細胞が、メラノサイトへ“メラニンを作れ”と伝達。それによってメラノサイトが活性化し、メラニンが増産されます。
外部刺激によるメラニン生成への影響
私たちは、メラニン生成のスイッチともいえる表皮細胞に着目しました。表皮モデルを用いて様々な外部刺激を与えたところ、乾燥や脂質除去によってもメラニン生成指令が上昇することがわかりました。紫外線に限らず肌がさらされる様々な刺激も、メラニン生成のスイッチをオンにしていたのです。
年齢を重ねるにつれてシミやくすみが目立つのは、肌にこれらの刺激が蓄積することでメラニンが過剰に作られるためだと考えられます。では、肌自身の老化はメラニン生成に影響するのでしょうか?
肌の老化とメラニン生成の関係
細胞レベルで表皮細胞を老化させたところ、細胞の老化によってメラニン生成指令が上昇することがわかりました。外部刺激に加えて肌自身の老化が進むことでも、メラニンは作られてしまうのです。
紫外線だけではなく、外部刺激や細胞の老化などシミやくすみをもたらす原因は様々であることが明らかになりました。それらを踏まえ、メラニンを作らせないための新たな研究も進んでいます。