Research

もし結合型セラミドを肌が自ら生み出すことができれば、乾燥肌はうるおいに満ちて美しい肌へと変っていくはず。そのように考え、私たちは新たな研究を進めています。

結合型セラミド生成促進成分を遺伝子レベルで探索

結合型セラミドは、肌の内部で多様なプロセスを経て生み出され、このプロセスには複数の酵素(ELOVL4、ALOX12B、SDR9C7等)が関与していることがわかっています。これら酵素の遺伝子を指標に成分を探索し、ヘパリン類似物質や複数の植物抽出物に結合型セラミドを生み出す酵素を増やす作用があることを見出しました。

結合型セラミド生成を促す成分の探索

ヘパリン類似物質の高い作用を発見

表皮モデルを用いて、見出した成分が結合型セラミドを生み出す力を評価しました。その結果、ヘパリン類似物質が外的刺激により減少した結合型セラミドを増加させ、肌のバリア機能も改善することがわかりました。

ヘパリン類似物質による結合型セラミド、バリア機能の変化
洗浄剤刺激をした表皮モデルに対する作用(洗浄剤刺激をしない値を100%とした時の割合)

さらに、外的刺激を与えた表皮モデルを電子顕微鏡で観察したところ、ヘパリン類似物質は結合型セラミドからなる角層細胞脂質外膜(CLE:Corneocyte lipid envelope)の消失や細胞間脂質の乱れを防ぎ、美しく整った角層へ導くことが確認されました。

結合型セラミドにより構成されるCLEの変化
洗浄剤刺激をした表皮モデルに対するヘパリン類似物質の作用

結合型セラミドへのアプローチは、バリア機能が低下した乾燥肌をうるおいに満ちた美しい肌へ変えていける可能性を秘めています。「美しい肌はセラミドがつくる」その言葉の通り、美しい肌のためには結合型セラミドによって角層を正常な状態に保つことが重要だと捉え、私たちは今後も肌内部の真実に迫る研究を進めていきます。

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